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報告書

地質環境特性調査における衛星リモートセンシング技術の応用; 温暖湿潤地域における植生を指標とした高地下水面地点の推定手法の開発

小出 馨

JAEA-Research 2023-003, 101 Pages, 2023/06

JAEA-Research-2023-003.pdf:14.08MB

東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)として広域地下水流動研究(1992$$sim$$2019年度)を実施してきた。本研究はその一環として、広域を対象とした地質環境特性調査において、特に重要と考えられる地下水の地表への流動経路となりうる地層境界や断層破砕帯等の存在を推定する調査手法の構築を目標に、従来、地質分野での適用が困難とされてきた日本のような温暖湿潤地域の森林域を対象に、衛星リモートセンシングによる地下水流出点等の高地下水面地点の推定手法の開発に取り組んだ。開発に当たり、「地下水からの水分供給を受けている樹木は、干ばつ等による水分ストレスの程度が小さく、水分供給を受けていない樹木と比べ成長度が高い」及び「樹木の生育に関する影響因子の状態が同一の場合、同様な生育状態を示すとすれば、地下水以外の影響因子の状態が同じ環境下で生育状態が異なる場合、その原因は地下水の状態差にある」との作業仮説を設定した。これに基づき、地下水からの水分供給に起因する樹木の生育状態の差異を検出するため、NDVI (Normalized Difference Vegetation Index)等の既存の植生指標に比べ、植被率等の植生物理量に対する応答の直線性・耐飽和性に優れ、植生の水分ストレスにも感度を持つ新たな植生指標(AgbNDVI: Added green band NDVI)を考案した。また、対象領域を樹木の生育に関する影響因子(標高・斜面傾斜角・斜面方位角・林相)の組み合わせによって区分した微小領域(セグメント)ごとに植生指標値の統計量から林分の平均的な生育状態(植生指標値)を求め、それを上回る地点を植生指標値の異常点(高植生指標地点)として抽出するセグメント解析手法を考案した。本手法の妥当性を検証するため、岐阜県東濃地域の約5km四方の範囲を研究対象に、衛星データ(SPOT HRV)を用いて本手法を適用した。その結果、研究対象領域を555のセグメントに区分し、AgbNDVI画像(57600画素)から3768画素の高植生指標地点を抽出した。高植生指標地点における樹木の生育状態及び地形・地質状況を確認した結果、樹木(アカマツ: ${it Pinus densiflora}$)は他の地点に比べ成長度が高いこと、また、高植生指標地点は地下水流出が発生しやすい斜面の傾斜変換点や地質境界付近及び既知の湧水点の近傍や地下水面の高い地点に分布していることが明らかになった。

論文

Study on borehole sealing corresponding to hydrogeological structures by groundwater flow analysis

澤口 拓磨; 高井 静霞; 笹川 剛; 打越 絵美子*; 嶋 洋佑*; 武田 聖司

MRS Advances (Internet), 8(6), p.243 - 249, 2023/06

放射性廃棄物の中深度処分では、モニタリング用のボーリング孔内が適切に閉塞されているかを確認するための手法を事前に整備しておく必要がある。そこで本研究では、堆積岩地域を想定し、どのような埋戻し設計条件であればボーリング孔内が有意な移行経路とならないかを把握し、ボーリング孔閉塞に係る確認ポイントを明らかにするため、埋戻されたボーリング孔を有する水理地質構造に対する地下水流動解析を実施した。その結果、ボーリング孔や掘削損傷領域(BDZ)が移行経路とならないための条件として、ベントナイト系材料の透水係数を母岩と同等以下にすること、BDZにグラウトを充填することなどが示された。

論文

Iron-induced association between selenium and humic substances in groundwater from deep sedimentary formations

寺島 元基; 遠藤 貴志*; 紀室 辰伍; 別部 光里*; 根本 一昭*; 天野 由記

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.374 - 384, 2023/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:53.91(Nuclear Science & Technology)

For better understanding of impact of natural organic matters (NOM) on facilitating migration of $$^{79}$$Se in underground environments, association mechanism between Se and humic substance (HS) in groundwater was investigated by incubation experiments using groundwater sample under abiotic and biotic conditions and speciation analyses by an isolation technique with DAX-8 resin and a size exclusion chromatography coupled on-line to UV-Vis and ICP-MS detection (SEC-UV-ICP-MS). Selenite added into the groundwater was reduced to elemental Se only when microbial activity was stimulated by a nutrient. The speciation analysis by the isolation technique showed the presence of Se associated with HS and that proportion of the associate to total dissolved Se is highest in the reducing condition. The SEC-UV-ICP-MS analyses of alkaline extracts from the DAX-8 resin showed that Se was coeluted with Fe as well as HS, regardless of microbial activity and redox conditions. Logarithmic peak areas of Se and Fe coeluted with HS in the SEC chromatograms was linearly correlated in the moderately oxidizing condition (r = 0.947, p $$leq$$ 0.01 with addition of Se; r = 0.995, p $$<$$ 0.01 without the addition of Se). The SEC chromatogram of Se coeluted with HS in the reducing condition was well matched with those of Se-Fe-HS ternary complex in the moderately oxidizing condition. Therefore, these suggest that the association between Se and HS in groundwaters can be dominated by a formation of Se-Fe-HS ternary complex.

報告書

Data of groundwater chemistry obtained in the Horonobe Underground Research Laboratory Project (FY2022)

宮川 和也; 中田 弘太郎*

JAEA-Data/Code 2022-013, 19 Pages, 2023/03

JAEA-Data-Code-2022-013.pdf:1.88MB

幌延深地層研究計画において、2019年度までは主に地下施設建設時の坑道掘削に伴う地下水の水質変化の調査や地球化学モデルの構築および見直しを目的として、2020年度からは必須の課題へ対応するため、地下水の水質データを取得している。2022年度は、引き続き必須の課題に対応するため、地下施設を利用して得られた地下水の水質データを取得している。地下施設の140m,250mおよび350m調査坑道から掘削されたボーリング孔や3本の立坑に設置されている集水リングなどから54試料の地下水を採取し、分析を実施した。本報告は、2022年度に得られた地下水の水質データとして、pHや電気伝導度、溶存成分(Na$$^{+}$$, K$$^{+}$$, Ca$$^{2+}$$, Mg$$^{2+}$$, Li$$^{+}$$, NH$$_{4}$$$$^{+}$$, F$$^{-}$$, Cl$$^{-}$$, Br$$^{-}$$, NO$$_{3}$$$$^{-}$$, NO$$_{2}$$2$$^{-}$$, PO$$_{4}$$$$^{3-}$$, SO$$_{4}$$$$^{2-}$$,Total-Mn,Total-Fe,Al,B,Sr,Ba,I,アルカリ度,溶存有機炭素,溶存無機炭素,CO$$_{3}$$$$^{2-}$$, HCO$$_{3}$$$$^{-}$$, Fe$$^{2+}$$,硫化物)および酸素水素同位体比の測定・分析結果を取りまとめたものである。

論文

Long-term density-dependent groundwater flow analysis and its effect on nuclide migration for safety assessment of high-level radioactive waste disposal with consideration of interaction between fractures and matrix of rock formation in coastal crystalline groundwater systems

Park, Y.-J.*; 澤田 淳; 小堤 健紀*; 田中 達也*; 橋本 秀爾*; 森田 豊*

Proceedings of 3rd International Conference on Discrete Fracture Network Engineering (DFNE 2022) (Internet), 8 Pages, 2022/00

高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価には地層中の長期にわたる地下水流動と核種移行プロセスの把握が求められる。沿岸部地下環境において、地下水流動は海水起源の塩水と陸水起源の淡水の密度差による複雑な相互作用の影響を受ける。加えて、数百万年の長期においては、海進・海退に伴う海水準変動の影響を受ける。本研究では、そのような沿岸域における亀裂性の結晶質岩を対象とした処分場の地下水流動と核種移行を評価するため、塩分濃度と地下水流速などの地下水環境の長期的な変遷を評価するための広域スケールとブロックスケールを組み合わせた評価フレームを構築した。

報告書

様々な施設設計条件におけるコンクリートピット施設からの浸出水量の算出

長尾 理那; 滑川 麻紀*; 戸塚 真義*; 仲田 久和; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2021-009, 139 Pages, 2021/06

JAEA-Technology-2021-009.pdf:13.96MB

日本原子力研究開発機構は、低レベル放射性廃棄物のうち研究施設等廃棄物の埋設処分事業の実施主体となっている。低レベル放射性廃棄物を処分する方法としてコンクリートピット処分を検討している。コンクリートピット施設は、地下水位より深い場所に設計するため、地下水の流れとともに放射性核種が移行すると可能性があると考えられている。そのため、コンクリートピット処分施設の安全性を説明するために、地下水の流れやコンクリートピット施設からの浸出水量を調べる必要がある。そこで、本報告書では、有限要素法による二次元地下水流動解析コード(MIG2DF)を用いて、充填覆土の透水係数やベントナイト混合土の設計等の施設の設計条件を変えた感度解析を実施し、コンクリートピット施設からの浸出水量を算出した。また、長期にわたる管理期間中に発生の可能性があるベントナイト混合土の劣化について考慮した評価も行うこととした。解析の結果、ベントナイト混合土が健全な場合、側部覆土の透水係数を低くすることにより浸出水量が減少していた。このことから、側部覆土の透水係数を低くすることによる浸出水量の低減が可能であることが示唆された。しかし、コンクリートピット施設の上部のベントナイト混合土に劣化が生じた場合、側部覆土の透水性を低くしても、浸出水量の大幅な低減は見られなかった。そのため、コンクリートピット施設の上部のベントナイト混合土に劣化が生じる可能性を考慮し、側部覆土のみではなく、コンクリートピット施設の上部の覆土についても透水性の低い覆土を充填することを検討する必要があると考えられる。

報告書

幌延深地層研究計画で得られた地下水の水質データ(2020年度)

宮川 和也

JAEA-Data/Code 2021-003, 25 Pages, 2021/05

JAEA-Data-Code-2021-003.pdf:1.91MB

これまで幌延深地層研究計画における深地層の科学的研究では、主に地下施設建設時の坑道掘削に伴う地下水の水質変化の調査や地球化学モデルの構築および見直しを目的として、地下水の水質データが取得されてきた。2020年度は、引き続き研究開発が必要と考えられる必須の課題に対応するため、地下施設を利用して得られた地下水の水質データを取得している。地下施設の140m, 250mおよび350m調査坑道から掘削されたボーリング孔や3本の立坑に設置されている集水リングなどから41試料の地下水を採取し、分析を実施した。本報告は、2020年度に得られた地下水の水質データとして、物理化学パラメータや溶存成分、酸素水素同位体比およびトリチウムの測定・分析結果を取りまとめたものである。水質データの意味を正確に理解するため、分析方法についても詳述した。

報告書

Data report of ROSA/LSTF experiment SB-SL-01; Main steam line break accident

竹田 武司

JAEA-Data/Code 2020-019, 58 Pages, 2021/01

JAEA-Data-Code-2020-019.pdf:3.85MB

ROSA-IV計画において、大型非定常実験装置(LSTF)を用いた実験(実験番号: SB-SL-01)が1990年3月27日に行われた。ROSA/LSTFSB-SL-01実験では、加圧水型原子炉(PWR)の主蒸気管破断(MSLB)事故を模擬した。このとき、両ループの蒸気発生器(SG)二次側への補助給水(AFW)とともに、非常用炉心冷却系である高圧注入(HPI)系から両ループの低温側配管内への冷却材注入を仮定した。MSLBにより、破断ループのSGは急減圧し、破断ループのSG二次側広域水位は低下した。しかし、破断ループのSG二次側へのAFWにより、破断ループのSG二次側広域水位は回復した。一次系圧力は、MSLB直後一時的に若干低下したが、SG主蒸気隔離弁の閉止に従い16.1MPaまで上昇した。一次系圧力が10MPa以下に低下した数分後、HPI系から両ループの低温側配管内へ冷却材を手動注入した。一次系圧力は、HPI系からの冷却材注入により上昇したが、加圧器逃し弁の開放により16.2MPa以下に維持された。実験中、炉心はサブクール水で満たされた。健全ループでは、流れが停滞し、HPI系からの冷却材注入時に低温側配管での温度成層が観察された。一方、破断ループでは、顕著な自然循環が継続した。HPI系からの冷却材の連続注入による継続的な炉心冷却を確認して実験を終了した。取得した実験データは、PWRのMSLBを伴う多重故障事故時の回復操作および手順の検討に役立てることができる。本報告書は、ROSA/LSTFSB-SL-01実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。

報告書

超深地層研究所計画における地下水の地球化学に関する調査研究; 瑞浪層群・土岐花崗岩の地下水の地球化学特性データ集(2019年度)

福田 健二; 渡辺 勇輔; 村上 裕晃; 天野 由記; 青才 大介*; 原 直広*

JAEA-Data/Code 2020-012, 80 Pages, 2020/10

JAEA-Data-Code-2020-012.pdf:3.55MB

日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2019年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データおよび微生物データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所, 試料採取時間, 採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。

報告書

超深地層研究所計画における地下水の地球化学に関する調査研究; 瑞浪層群・土岐花崗岩の地下水の地球化学特性データ集(2018年度)

福田 健二; 渡辺 勇輔; 村上 裕晃; 天野 由記; 青才 大介*; 熊本 義治*; 岩月 輝希

JAEA-Data/Code 2019-019, 74 Pages, 2020/03

JAEA-Data-Code-2019-019.pdf:3.53MB

日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2018年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データおよび微生物データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所, 試料採取時間, 採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。

論文

Degassing behavior of noble gases from groundwater during groundwater sampling

中田 弘太郎*; 長谷川 琢磨*; Solomon, D. K.*; 宮川 和也; 富岡 祐一*; 太田 朋子*; 松本 拓也*; 濱 克宏; 岩月 輝希; 小野 昌彦*; et al.

Applied Geochemistry, 104, p.60 - 70, 2019/05

 被引用回数:9 パーセンタイル:38.79(Geochemistry & Geophysics)

地下水に溶存している希ガス(He, Ne, Ar, Kr, Xe)は、地下水の起源や滞留時間、涵養温度などの推定に使われる。地下水に溶存しているガスを全て定量することが望ましいが、一方で、地下水の採取に伴う溶存ガスの脱ガスを避けることは難しい。本研究は、地下水の採取に伴う溶存希ガスの脱ガス挙動について調べ、その補正方法を提案するものである。地下施設及び深層ボーリングから地下水試料を採取し、原位置の圧力を維持した状態で採取した試料と、圧力を低下させて脱ガスさせた試料との比較を行った。その結果、溶存ガス圧が低い試料(約4.6気圧以下)については、大気圧下で脱ガスさせた場合、気液平衡が成り立つことが分かった。一方で、溶存ガス圧が高い試料(約32気圧)については、気液平衡が成り立たないことが分かった。気液平衡が成り立つ試料については、脱ガスの影響を補正することが可能であるが、気液平衡が成り立たない試料については、補正が困難であり、さらなる検討が必要である。

報告書

超深地層研究所計画における地下水の地球化学に関する調査研究; 瑞浪層群・土岐花崗岩の地下水の地球化学特性データ集(2017年度)

福田 健二; 渡辺 勇輔; 村上 裕晃; 天野 由記; 林田 一貴*; 青才 大介*; 熊本 義治*; 岩月 輝希

JAEA-Data/Code 2018-021, 76 Pages, 2019/03

JAEA-Data-Code-2018-021.pdf:3.78MB

日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2017年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データ及び微生物データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所、試料採取時間、採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。

論文

Characterization of mineralogical controls on ammonium concentrations in deep groundwaters of the Horonobe area, Hokkaido

笹本 広; 佐藤 久夫*; Arthur, R. C.*

Journal of Geochemical Exploration, 188, p.318 - 325, 2018/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:16.65(Geochemistry & Geophysics)

アンモニウムイオンは、還元条件下における深部地下水において重要な成分である。地層中でのセシウムの収着による遅延は、高レベル放射性廃棄物の長期安全性を確保する上で重要な役割を果たす。しかしながら、セシウムの収着は、地下水中に溶存するアンモニウムイオンの様な陽イオンによる収着競合の影響を受ける可能性がある。本研究では、日本における地下水の一例として、幌延で得られた地下水データを対象に、深部地下水におけるアンモニウムイオンの濃度を支配する反応を推定した。鉱物学的調査、地下水データを用いた熱力学的評価および電子線マイクロアナライザを用いた鉱物表面での窒素(N)分布調査により、地下水中のアンモニウムイオンは、カリウム(K)を含む粘土鉱物であるスメクタイト,イライト,イライト/スメクタイト混合層のカリウムと地下水中のアンモニウムイオンのイオン交換反応により濃度が支配されている可能性が示唆された。また、日本における地下水データセットからスクリーニングされた信頼性の高いデータと比較すると、幌延の地下水中のアンモニウムイオン濃度は、ガス田や油田地域の地下水に類似していることも明らかになった。

論文

An Evaluation of the long-term stagnancy of porewater in the neogene sedimentary rocks in northern Japan

中田 弘太郎*; 長谷川 琢磨*; 大山 隆弘*; 石井 英一; 宮川 和也; 笹本 広

Geofluids, 2018, p.7823195_1 - 7823195_21, 2018/01

 被引用回数:9 パーセンタイル:57.47(Geochemistry & Geophysics)

高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価におけるシナリオの一つとして、地下水シナリオがある。地下水シナリオに基づく安全評価において、長期間にわたり地下水の移動が遅いことは重要な要因である。本研究では、透水性の低い堆積岩地域の一例として、北海道幌延地域に分布する新第三系の海成堆積岩である声問層と稚内層中の地下水の安定性について、塩素やヘリウムの同位体及び水の安定同位体を用いて調査・考察を行なった。その結果、稚内層の深部地下水は、約100万年前から始まった地層の隆起後も、天水の影響を受けることなく、安定に存在している可能性が示された。一方、声問層や稚内層浅部の地下水は、地層の隆起後、天水の影響を受けており、このことは地下水年代測定の結果からも支持された。本地域の様に、地層の圧密・続成作用を受けた厚い堆積層では、間隙水・結晶水の放出等の影響を受け、地下水の絶対年代を正確に推定することは難しい。しかし、本研究において検討した地下水年代測定の結果と地史との比較は、地下水の流動性に関わる概略的な評価(長期にわたる地下水の安定性の有無)を行う上で有効な手段であると考えられる。

報告書

幌延深地層研究計画で得られた地下水の水質データ(2014年度$$sim$$2016年度)

宮川 和也; 女澤 徹也; 望月 陽人; 笹本 広

JAEA-Data/Code 2017-012, 60 Pages, 2017/10

JAEA-Data-Code-2017-012.pdf:7.94MB
JAEA-Data-Code-2017-012-appendix(CD-ROM).zip:0.09MB

幌延深地層研究計画における深地層の科学的研究では、実際の地下の地質環境特性を調査するための技術開発や、得られた地質環境特性に基づく地質環境モデルの構築が進められている。地質環境モデルの1つである地下水の地球化学モデルの構築・見直しにあたっては、地下施設周辺における地下水の水質データが必要である。本報告は、平成26年度$$sim$$平成28年度(2014年度$$sim$$2016年度)までの3年間に、幌延深地層研究計画で得られた地下水の水質データとして、物理化学パラメータおよび水質の測定・分析結果を取りまとめたものである。

報告書

超深地層研究所計画における研究坑道での湧水量計測データ集; 2014$$sim$$2015年度

上野 哲朗; 竹内 竜史

JAEA-Data/Code 2017-003, 46 Pages, 2017/03

JAEA-Data-Code-2017-003.pdf:5.89MB
JAEA-Data-Code-2017-003-appendix(CD-ROM).zip:2.66MB

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、岐阜県瑞浪市において結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。この計画は、「地表からの調査予測研究段階(第1段階)」、「研究坑道の掘削を伴う研究段階(第2段階)」、「研究坑道を利用した研究段階(第3段階)」の3段階からなる。研究所用地における第1段階の調査研究は、2002年度から2004年度まで実施され、2004年度からは第2段階の調査研究が、2010年度からは第3段階の調査研究が開始されている。研究坑道内に湧出する地下水については、超深地層研究所計画の「研究坑道の掘削を伴う研究段階(第2段階)」における岩盤の水理に関する調査研究の一環として計測体制が整備されて計測を開始し、2013年度に第2段階が一旦終了した後も、湧水量計測を継続している。本データ集は、2014-2015年度に実施した研究坑道内での湧水量計測で取得したデータを取りまとめたものである。

報告書

Data report of ROSA/LSTF experiment TR-LF-07; Loss-of-feedwater transient with primary feed-and-bleed operation

竹田 武司

JAEA-Data/Code 2016-004, 59 Pages, 2016/07

JAEA-Data-Code-2016-004.pdf:3.34MB

LSTFを用いた実験(実験番号: TR-LF-07)が1992年6月23日に行われた。TR-LF-07実験では、PWRの給水喪失事象を模擬した。このとき、一次系フィード・アンド・ブリード運転とともに、補助給水系の不作動を仮定した。また、蒸気発生器(SG)の二次側水位が3mまで低下した時点でSI信号を発信し、その後30分で加圧器(PZR)の逃し弁(PORV)開放による一次系減圧を開始した。さらに、SI信号発信後12秒でPZRの有るループの高圧注入系(HPI)の作動を開始し、一次系圧力が10.7MPaまで低下した時点でPZRの無いループのHPIの作動を開始した。一次系とSG二次側の圧力は、PZRのPORVとSGの逃し弁の周期的開閉によりほぼ一定に維持された。PORVの開放にしたがい、PZRの水位が大きく低下し始め、高温側配管では水位が形成した。HPIの作動により、PZRと高温側配管の水位は回復した。一次系圧力はSG二次側圧力を下回り、両ループの蓄圧注入系(ACC)が作動した。炉心露出が生じなかったことから、PORV, HPIおよびACCを用いた一次系フィード・アンド・ブリード運転は、炉心冷却に有効であった。本報告書は、TR-LF-07実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。

論文

Mineralogical changes and associated decrease in tritiated water diffusivity after alteration of cement-bentonite interfaces

山口 徹治; 澤口 拓磨; 塚田 学; 星野 清一*; 田中 忠夫

Clay Minerals, 51(2), p.279 - 287, 2016/02

 被引用回数:7 パーセンタイル:24.47(Chemistry, Physical)

セメント硬化体を炭酸ナトリウム溶液に接触させて変質させる試験と、セメント硬化体とベントナイトを接触させて変質させる試験とを行った。変質に伴う物質移行特性の変化は、トリチウム水を透過拡散させて拡散係数の変化を検出することによって調べた。炭酸系の試験では、界面近傍における鉱物の変化に伴い、180日間に拡散係数が変質前の70%に低下した。セメントとベントナイトを接触させたケイ酸系の試験では、界面近傍における鉱物の変化に伴い、600日間に拡散係数が変質前の71%に低下した。粉砕したセメント硬化体とベントナイトを混合して変質させた既往の研究では、拡散係数が180日間に変質前の20%にまで低下したのに比較すると、本研究では反応面積が小さいので拡散係数の変化も小さくなった。炭酸系の実験では硬化体表面から0.55mmの範囲で拡散係数の変化が起こり、ケイ酸系の実験では界面から0.5mmの範囲で拡散係数の変化が起こったと評価された。この結果を、単純なモデルを用いて15年間に外挿したところ、フランスTournemire地下実験施設で観察された15年間にわたるセメント-粘土岩相互作用の特徴をよく再現した。このような知見は、実験データに信頼性を与えるとともに、実験に基づくデータやモデルを長期評価に用いる際の根拠の1つとなりうる。

論文

Groundwater flow modeling focused on the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant site

三枝 博光; 尾上 博則; 小橋 昭夫; 渡辺 将久

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 7 Pages, 2015/05

東京電力福島第一原子力発電所では、汚染水に関わる問題に直面している。現在、地下水が地下建屋に流入することにより発生する汚染水が連続的に増加している。このことから、発電所敷地内の地下水の流動状態を理解するとともに、地下水を汚染源に近づけないための対策工の効果を予測することが重要である。対策工としては、地下建屋を囲むように設定する陸側遮水壁や、地下建屋の海側に設置する海側遮水壁、さらには地下水の揚水が計画されている。以上を踏まえ、本研究では、計画されている対策工の効果を推定するために地下水流動モデルの構築を行った。具体的には、地下水の涵養域や流出域、地下水の主流動方向、地下建屋への地下水流入量について、対策工を設置する前後の状態を推定した。その結果、計画されている対策工は、地下建屋への地下水流入量を低減するために有効であるとともに、海への汚染地下水の流出を抑制する効果があることを示した。

報告書

幌延深地層研究計画で得られた地下水の水質データ(2011年度$$sim$$2013年度)

笹本 広; 山本 信幸; 宮川 和也; 水野 崇

JAEA-Data/Code 2014-033, 43 Pages, 2015/03

JAEA-Data-Code-2014-033.pdf:3.92MB
JAEA-Data-Code-2014-033-appendix(CD-ROM).zip:0.09MB

幌延深地層研究計画における深地層の科学的研究では、実際の地下の地質環境特性(条件)を調査するための技術開発や、得られた地質環境特性に基づく地質環境モデルの構築が進められている。地質環境モデルの1つに、地下水の地球化学モデルがあるが、モデルの構築にあたっては、地下施設周辺における地下水の水質データが必要である。本報告では、平成23年度$$sim$$平成25年度(2011年度$$sim$$2013年度)までの3年間に、幌延深地層研究計画で得られた地下水の水質データとして、物理化学パラメータおよび水質の測定・分析結果を取りまとめたものである。

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